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茨城県堺町 蕎楽 2006年1月7日(土)
帰路ホームコースからやや回り道になるが、車で15分位だろうか。
かなりの回数来ていても良さそうなものだが、
今日、席について、考えてみたら、ベストスコアを出した時に来てるんだ、と気付いた。
悪ければ、回り道などしないで帰ってしまうのが落ちなのだ。
今日は、特別良かったわけではないのだが、蕎麦屋を開業している間全く練習もしなかった
ので、もう恥ずかしいくらいのスコアが続いていた次第です。もっとも、そのとき痛めた
手首などの後遺症で、いまだに満足な練習が出来ないのだから当たり前だが、久しぶりに
そこそこのスコアではあった。
5時の開店を待って、すぐに入る。
ご亭主の前職が電気屋さんというのも、余り聞いたことがない。
それが良い蕎麦を作る原点となっている。このところ、お蕎麦屋さんのご亭主と
お話しする機会が多くなっていて、蕎麦作りの行程の中で一番は、石臼の目立てではないか、
そんな話題が出てきている。
目立てとは、石臼で蕎麦を挽く時に、石に刻みを入れる、粉引きの溝である。
群馬の浅川屋さんも、電動石臼はかなり数を試されたそうだ。また、同じ機械でも、
目立てによって極端に違ってくるという。
阿佐ヶ谷の道心さんも、同じような事を言っておられました。
蕎楽のご主人は、元が電気屋さんで、ご友人に石屋さんがいるから、
ご自分で電動石臼を作ることになった。そのご苦労は、想像を超えるだろうと思いますが、
蕎麦は石臼の素材と、目立てに帰するということらしい。
もっとも、目立てもあるだろうが、その石臼自体の大きさや、回転速度など、
蕎麦の味を決定する要素は専門的にはたくさんあると思います。
そのくらい製粉ほど蕎麦屋の亭主を悩ませるものはない。粉の製粉過程や、製粉された
粉のブレンドで、全く違った蕎麦になってしまうのだから、困ってしまうのだ。
さて元々、大きな店なのだが、粉の選別から、挽き、仕上げまでに使われているスペースが、
ビックリするほど広い。一種の研究室に思える。都心のお蕎麦屋さんから見たらうらやましい
限りだろう。
いつもなのだが、蕎麦掻の鴨汁を注文する。
天ぷらに百合ねのかき揚げがあったので、それと、生粉(十割)蕎麦を追加した。
蕎麦掻汁は、濃い目だが、蕎麦掻の香りが強くその汁に負けていない。触感も柔らかめだが
モチモチさもあって、好きな蕎麦掻だ。
九段の大川やさんの鴨汁合わせの蕎麦掻も洗練された逸品だが、蕎楽さんは、素朴な味がする。
百合ねのかき揚げは、百合ねがほくほくして、小海老の触感とも合って、良い調子でした。
衣もしっかり揚がっていて、歯触りが良かった。
さて、蕎麦である。その生粉打ちは、完成度は言うまでもない。
蕎麦に緊張感があって、しかも、余裕がある。これは、自信の所産であろうか。
今日は、特別に全粒蕎麦を一枚追加した。一般的な言い方は、田舎蕎麦であるが、それを
全粒と名づけたところに、ご亭主の誇りを見る。
やや太めだが、同じ田舎蕎麦で比べると両国のほそ川さんほど太くなく、
亀有のやざ和さんよりも太い。
食するとこれは、香りが太く立つ。蕎麦の生まれたての味が舌にずんと来た。
この辺りの蕎麦屋では、人気があるのはうなづけるし、近辺の人に訊ねると
必ず享楽さんの名前が上がる。手打ち蕎麦の多い地域だが、それだけ味が群を抜いている
のだろう。
蕎麦屋の形態としては、独特のポジショニングを立てている。前職の経験とネットワーク
から、蕎麦屋としてはオンリーワンのコンセプトを、純粋培養できた稀有な例でしょう。
天からの閃きが舞い降りたのではないか。
どんな生き方をしてもそんな瞬間があるのでしょうが、およそ僕のような凡人はそれを見逃して
しまうのでしょう。
僕の蕎麦屋業態マップでも、どこにも属さない特異なお蕎麦屋さんです。
おそらく今後、蕎麦の学問的な探求と、蕎麦技術の指導にも向かわれるのだろう。
特に電動石臼の技術革新と、その製品は、今後開業しようとする人達や、
現業蕎麦屋の亭主たちに大きなヒントを与えるのではないか。
*百合根のほくほくした触感が美味。かき揚げと生粉蕎麦。
*蕎麦掻の鴨汁。たっぷり具が入っています。
*全粒蕎麦は、香りも豊かで、自信に満ちた顔。
*仕事場の一部。この倍はあるスペースが確保されている。
享楽 茨城県猿島郡堺町293−5 рO280−81−1133
営業時間11:30〜15:00 17:00〜20:00
定休日 火曜
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