蕎麦屋訪問-19 大塚 岩舟

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 大塚 岩舟 2005年12月22日(木)

  岩舟は、夢八開店時に、お昼を食べに行っております。その時も、お洒落な門構えや店内を
  見て夜に来たいな、と思っておりました。
  一緒に来られた、花まきさんは、席に座り、「いつ見ても新しい気がする・・」と、
  そんな言葉がありました。
  店内デザインは、間接照明が、うまく取りこめられ、素材の質感を生かしながら、
  空間を広く見せ、なおかつ穏やかな空気感があります。
  新鮮で、新しい蕎麦屋のコンセプトを何度も、デザイナーの方と話し合われて造られたの
  だろうと推察できます。
  飛びすぎず、かといって、平凡に落ちない、設計の意匠の工夫が、随所に見えます。
  人の気持ちに響く、よい設計のものは、花まきさんが感じたように、
  いつも新しく見えます。それが、時代の速さに埋没されないデザイナーの感性を伝える
  表現の醍醐味です。
  しかも、この空間は、調度品も、器も、トータルに管理している。
  これは、前菜や料理を盛る皿、酒注ぎに至るまで空間の一部という考え方なのだ。 
  僕は、蕎麦屋さんの設計の相談には、必ず、大塚の岩舟と、大島の銀杏を、まず見て
  から悩んでみなさいと、アドバイスします。
  そのデザインに何を感じるかを、聞きたいのです。
  店は、店主のメッセージです。客に何を伝えて、何を残すかが、勝負です。
  
  その両店とも、偶然ですが、二代目で、お店を手打ちにして、成功されています。
  岩舟の先代は、この地で、出前もする、街のお蕎麦屋さんでした。場所も、駅前ですから
  それなりのお客さんが来られて繁盛されていたと想像できます。
  ただ、事情があって、急にお店を継ぐ話になり、手打ちの修業を重ねて、現在のお店を
  開店されたそうです。
  現在、日本の飲食業で圧倒的な数が、蕎麦、饂飩屋さんです。そのお店の大半が、ファ−スト
  フード、コンビニ、お弁当屋、新業態飲食店に押されています。
  代継ぎを契機に効率のよい手打ち蕎麦への転向を考えるのは、時代の流れでしょうか。
  現在のファーストフードを含めた競合に負けないクォーリティの高さ、比較されない
  新しい方向感が、これまでとは違う客層を掴みます。
  特に、新業態飲食店から、逆に顧客を引っ張り込んでしまいます。
  蕎麦屋だけが競合ではないというエントリーの強さが必要なんです。すなわち、店舗設計が
  大きな意味を持ってくるというわけです。
  
  さて、岩舟。日本酒と、ジャズが、しっくりするのは、やはりこの空間のなせる技です。
  前菜に、イカ沖漬け、豆腐よう、ほやの塩辛。そして、いたわさ。
  これがなんとも、日本酒に合うのであります。
  いたわさも大変質のよいものでしょう。ここの前菜は、そのほか酒肴に合うものが、
  10種類は、用意されております。
  桜えびのかき揚げも、さくさくして、天ぷら屋さんレベルの技術でした。
  もちろん蕎麦も、しっかりした蒸篭で、日本酒の後蕎麦として、美味しく仕上がって
  おりました。
  <今日も酔流亭などと話に夢中で、料理や、蕎麦の写真を撮り忘れてしまいました>
  蕎麦屋のスタンダード性を原点に、カジュアル性を追わない姿勢が、蕎麦屋酒を
  心地よいものにしています。クラシカルニューモダン、とも言うべきジャンルの
  代表格でしょう。

  *玄関の質感のある表情、ガラスのドアも意外性があります。
  


  *奥行きをシンボリックに伝える飾り棚。空間演出の技です。

  *前菜で、ほやの塩辛など、調度品、器も全体の空間の一部。 

  岩舟  東京都豊島区南大塚3−53−9 рO3−3987−9266
        営業時間12:00〜15:00  夜18:00〜22:00
         定休日 日・第2/第4土

  
    

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