蕎麦屋訪問-18 九段 大川や

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 九段  大川や 2005年12月16日(金)

  この日は、途中店に向かうと、煌々とした満月であった。ブログで知り合った方々も
  あちこちでこの月を見ていたらしい。
  大川やは、夢八開店前に、3回くらいは行っています。開業するにあたって随分、考え方など
  を参考にさせてもらったものです。この大川やさんの延長上に、このところ評判の松玄さん、
   黒澤さんが、透けてみえます。
  松玄さんは、恵比寿、麻布十番、銀座にそれぞれ立地にフィックスしたお店を展開、
  黒澤さんは永田町、六本木、麻布(饂飩)で同じようにお店を開業されている。
  この2店は、戦略には大分違いはあるものの、考え方に蕎麦屋ビジネスが基本にある。
  蕎麦屋ビジネスというよりは飲食店事業と言い換えてもいいだろう。
  黒澤は、世界の黒澤のブランドを、蕎麦屋に展開している。単なるイメージ戦略だけではなく、
  造作や、細かいディテールに至るまで、黒沢組の映画スタッフが関与している。
  マーケティング的な、ブランド戦略の典型的な戦術例である。
  一方、松玄さんは、蕎麦屋にカジュアル性をコアにした、アイデアと独創性で成功している
  先駆者である。ここには新しいコンセプトがある。
  恵比寿、十番、銀座とそれぞれそこには、立地に根ざした客層の分析がある。成功の秘訣は
  両店とも、老舗が綿々と築いてきたクラシックモダンに対するポストモダン性の軸を
  ハイクォーリティなカジュアル性に求めた事であろう。
  ビジネスとして成功するには、名前を上げていくスピードとボリュームが勝負である。
  カジュアル性はその展開力のポイントになっている。
  大川やさんも、ジャンルとしては、ハイカジュアルモダンの軸に入る。ただ、同じように
  新店舗展開するのかどうかは推論でしかないが、可能であることは確かだ。
  さて、大川やさん。今日は、そんな目で見てはいなくて、たまたま、蕎麦友の、花まきさん、
  酔流亭、気の合う蕎麦屋のご亭主の4人で、忘年会ようなものだった。
  (従って、注文の肴、蕎麦の写真は一切ない)
  流行店らしく、帰るまでに、2,3組は玄関から覗いて、満席を見て帰っているから、電話
  なども入れると、かなりの客が入りそびれているだろう。
  肴の蕎麦掻きは、鴨と葱のスープ合わせ、このところ蕎麦掻きと鴨葱汁が蕎麦屋の定番の
  ラインに入りつつある。
  これはなかなか美味でした。蕎麦掻きも上手でしたが、だし汁が関西風で、淡口醤油
  で合わせてあって、附きだしの肴もこのだし汁がベースでした。
  肴は、天ぷら、地鶏の刺し、地鶏の塩焼き、その他諸々を注文。
  この地鶏の肴がなんともうまくて、これだけを食べに来たいと、思わせる味でした。
  産直物で客を掴まえるのは、このところ差別化が出来なくなっていますが、やはりそれに
  一工夫した美味しさがポイントになるでしょう。
  十番の松玄が、自家製の干物を、カウンターで焼く演出があるように、カジュアル性のベースに
  何を上乗せするかで、流行店になれるかどうかが決まるようです。
  やはりそこにハイクォーリティな付加価値が必要だという事です。
  酒は、酔流亭が喜ぶような(僕は余り日本酒が判らないので)日本酒が揃っていて、
  次々にオーダーしたくなってしまう。
  4人位で飲むには、肴も、酒類も、丁度いい。そんなお店に構成されているのです。
  一人の客を相手にするよりは、お店としては、効率的です。
  この日は、かなりの種類の日本酒を飲みました。
  最後の粗挽き蕎麦もなかなかのものでした。粗挽きは、つなぎが難しい
  のですが、そのご褒美として、触感もよく独特の歯触りがでてきます。
  今後、大川やさん、松玄さん、黒沢さんが、このテリトリーのスタンダードで、ずっと
  輝いていけるかどうか、蕎麦愛好家としては、興味津々でもある。
  多分、それは、蕎麦の品質を、蕎麦マニアにも耐えられものにしておけるかどうかで
  決まりそうな気がする。

  大川や  東京都千代田区九段南3−4−2  рO3(3234)8887
        営業時間 11:00〜15:00
             17:00〜22:00 11:00〜20:00(土曜)
        定休日 日、祝      

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