蕎麦屋訪問-17 浅草橋 茶の間 美登里

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  浅草橋    茶の間 美登里 12月1日(木)

一期一会と言う言葉がある。蕎麦屋との出会いもそれは重要な要素で、
客は、その蕎麦屋にある期待を持って訪れる。その期待は、そのお店特有のイメージを
客が共有した時に満足するのであろう。例えば、ほそ川や、三合庵に親近感や、寛ぎを求める
と言うよりは、凛とした緊張感や、ある種の達人芸を求めに入る。それに出会えれば、一期一会
の満足は得られる。この幸せな出会いが、客をフアンにして行く。
さて、この茶の間 美登利のコンセプトは、暖炉のような和みや、安らぎであろうか。
その期待が満たされれば、一期一会の最初の時間は、満足度の高いものとなる。

浅草橋の西口からは、3分程度。元々は問屋街であるから、点在するお店も
その問屋の店舗を改造したお店が、角々にあるような感じである。特にこの辺りはお店がぽつん、
ぽつんとある区域である。
小太刀さん、変わった苗字のご亭主と、カウンターに入った奥さんが、迎えてくれる。
カウンターが5人席、その角の方に座った。テーブルは4人掛けのものが6席ほどある。
お二人だと、お客の相手はこれが目いっぱいだろう。
先客を見ていたが、料理はすべて女将さん作る。それが実に手早い。受け答えも
ルーズにならず、手が止まらないからたいしたものだ。出来上がりはご亭主が給仕する。
こちらは、熱燗に、野菜3点盛り、はたはたの焼き物、その他1品を注文。
その他というのは、どれだったか忘れてしまったのである。それはたまたま、
常連の方がカウンターに座って、そのご相伴に預かったからなのである。
かなりの常連の方なので、注文以外の品が、出てくる。ランチで余ったものから、
ちょっと作ったみたからと言ってたまたま、横の席に居合わせたから、
「よろしかったらそちらさまも・・」と言って出してくれる。
 初めて来てまだ言葉も交わしてもいなかった。 
変わった野菜が出てくるので聞くと、野菜は総て茨城で自家栽培しているとのことである。
かぼちゃと大根のあいの子の珍しい野菜。形は大根、味はかぼちゃが勝っていた。
頂いた生野菜も流行のミニ野菜で、葉っぱもうまい。
聞けば、定年を機に、長年の趣味の自家栽培野菜と手打ち蕎麦を中心に4年前に開業された
そうである。
いわゆる蕎麦屋の定番の肴はない。焼き味噌、卵焼き、みそ焼き、蕎麦掻が無い。
そして、蕎麦は蒸篭一点張りである。これは、最初違和感があった。
好きな蕎麦と自分たちの育てた野菜を中心に店を組み立てる。これは、新しいのではないか。
一時期、車の酒気帯びの罰金が高くなって、ゴルフ場の焼き鳥屋、小料理屋の客足が落ちたとき、
かなりのお店が、手打ち蕎麦を導入したことがあった。しかし、一瞬客はつないだが、
すぐに飽きられてしまった。
今あるものに、新しいものを導入しても、一瞬の成功はあっても継続しないことが多い。
蕎麦屋としての新しい形と、焼き鳥屋としての付加性は、天と地の開きがある。
美登里は、わざわざお茶の間というワードがある。家族的な団欒であるから、女将さんの
 手づくりの野菜中心のお料理が客の気持ちを温かくしている。
お二人が何を考え、何をしようとされているかがわかる。
暮れも23日から長いお休みをとる。マイペースである。定年後の理想を地でいっているが、
 茨城の広大な農園を想像をすると、それまでの蓄積の見え隠れに圧倒される。
蕎麦打ちの亭主も、蕎麦一本で客を見ていらっしゃる。蕎麦も来年1月の夜のものは、
 自家栽培ものである。
さすが、自家栽培は、よく生産できたときで2ヶ月程度の量とのことだ。今年は虫付が早く、
収穫が少なくなったそうである。
そんな話を伺っている間も、常連さんと同じように肴や、果てはスープ、
 野菜のクリーム煮まで出てくる。写真に撮りきれないほどの品数だった。
最初は、運がよかったと思っていたが
蕎麦に辿り着けるか不安になったので、蒸篭を注文した。
蒸篭は、ほぼ田舎のような色、味わい、香りで、つゆもこだわったこくがある。
細打ちのきりっとした蕎麦でありました。最後の仕上げに頂いた、
デザートは手作りアンパン、柿のお手製ゼリー、なかなかここまで、お二人で揃えるには、
よほどこの商売が好きで、好きでしょうがない、というお心が感じられました。
常連の方のお陰でフルコースを堪能して、恐れ多いようなお値段でありました。
 言ってしまえば、幸せな遭遇をしたと言うわけです。

*お昼の定食のコロッケ、しぼり酒が常連の方と同じように。これが始まり。

 *はたはたとブロッコリーの野菜、これは注文の品、以下野菜はすべて自家製。

 *大根とかぼちゃのあいの子。味もあいの子でした。

 *ミニの野菜、葉っぱまで総て完食しました。にんじんの葉は、パセリのよう。 


 *ふぐのから揚げ、ほうれん草は注文の品。これもおいしかったです。

 *香りのある蒸篭、田舎を思わせる肌合い。細打ちのきりっとした姿でした。

 *お手製のアンパンと、柿のゼリー。この他にスープとクリーム煮も。

  美登里  東京都台東区浅草橋4−4−6 рO3−3851−5141
        営業時間11:30〜14:00
            17:00〜21:00
        定休日 土・日・祝      

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