久しぶりのまつやである。江戸の蕎麦屋の原型、DNA、と言っても、過言でないでしょう。
およそ、ブランド化するとは、言語のレベルの高いところでイメージ化されるということで、
愛とか、憧れとか、希望とか、シンボリックな言葉が散らばって集約されている。
そこに、伝統とか、温かみとか、壊れにくいものが、ベースに敷かれて来ると、もう揺るぎよう
が無いものになる。
ただそこには、付加価値を追求してきた、努力と、長い時間が必要とされる。時代の偶然と、
技術の必然とがうまく混ざらないと、なかなか困難なものだろう。
まつやと、かんだやぶが、隣接する場所で、それぞれ違うイメージ領域で、互いに相乗効果を
生かしながら、切磋琢磨してきたであろう事は、蕎麦屋開業を目指す者の参考になると思う。
歴史的なものに、学ぶ。でなければ、新しいものは、創造できない、と思うのだ。
それが、全く違うものを志向するのであったとしても、研究する価値はあると思う。
夕方、6時に入って、打ち場で、職人が、2キロ玉、2個を、あっという間に、延して、蕎麦に
仕上げた。その間、40分くらいだろうか。客も、その様子をチラチラ見ていた。包丁さばき
も鮮やかだった。この、ショー的な要素も、まつやだからいいですね。
さて、注文は、実は卵焼きでしたが、これは僕の勘違いで、予約で、残念な事になりました。
卵焼きは、蕎麦屋には時間が掛かりすぎて効率が悪いのです。流行るところでは、職人が
何人いても追いつかなくなるでしょう。夢八開業時も
だし巻きの注文が、4個も入ると、それをどう他の注文と時間配分するか、大変でした。
卵焼きを食べたい時は、僕もなるべく、暇な時間に注文するようにしています。これなど、自分で
商売したからわかった次第です。
ビールと焼き鳥を注文。卵焼きの代わりに、卵とじの温蕎麦をお願いしました。
焼き鳥は、いつもながら身がやわらかくて、甘みがありました。是非ものの肴です。
前のほうのテーブルには、常連なのでしょう。60代後半のご近所の旦那風、お二人が
焼き鳥を、塩と、タレの2皿を並べながら、お酒を呑まれて居りました。いい風景なんです。
卵とじは、写真のように、余り卵のこしを折らずに、さらっと溶いたものをかぶせてあります。
これがなかなか難しいのです。松屋の卵とじには、蕎麦と卵の間に、海苔が散らしてあります。
これがよい香りで、花巻蕎麦も一緒に食べているようで、お得感があります。
まつやには、価格もそうですが、お得感がお店の考え方のベースにあるようです。
これが、長い間にはボディブローのように効いて来ます。甘辛い独特のスープもそうですが、
まさに、癖になる要素が幾重にも張りめぐされています。
そうこうしている間にも、間断なくお客さんが入る。このざわざわ感も老舗の良さに感じる
から不思議ですね。
次回は、卵焼きに再挑戦です。
*職人さんが、蕎麦打ちの実演。手際が良かったですね。
*卵とじ蕎麦。こしを折らないで、さらっと溶いであり、この下には海苔が散らされてある。
神田 まつや 千代田区神田須田町1-13 03-3251-1556
営業時間11:00〜20:00(土11:00〜19:00)
定休日 日・祝
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