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蕎麦屋訪問-10

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 蕎麦屋訪問  神田 まつや   2005年10月13日(木)

 久しぶりのまつやである。江戸の蕎麦屋の原型、DNA、と言っても、過言でないでしょう。
 およそ、ブランド化するとは、言語のレベルの高いところでイメージ化されるということで、
 愛とか、憧れとか、希望とか、シンボリックな言葉が散らばって集約されている。
 そこに、伝統とか、温かみとか、壊れにくいものが、ベースに敷かれて来ると、もう揺るぎよう
 が無いものになる。
 ただそこには、付加価値を追求してきた、努力と、長い時間が必要とされる。時代の偶然と、
 技術の必然とがうまく混ざらないと、なかなか困難なものだろう。
 まつやと、かんだやぶが、隣接する場所で、それぞれ違うイメージ領域で、互いに相乗効果を
 生かしながら、切磋琢磨してきたであろう事は、蕎麦屋開業を目指す者の参考になると思う。
 歴史的なものに、学ぶ。でなければ、新しいものは、創造できない、と思うのだ。
 それが、全く違うものを志向するのであったとしても、研究する価値はあると思う。
 夕方、6時に入って、打ち場で、職人が、2キロ玉、2個を、あっという間に、延して、蕎麦に
 仕上げた。その間、40分くらいだろうか。客も、その様子をチラチラ見ていた。包丁さばき
 も鮮やかだった。この、ショー的な要素も、まつやだからいいですね。
 さて、注文は、実は卵焼きでしたが、これは僕の勘違いで、予約で、残念な事になりました。
 卵焼きは、蕎麦屋には時間が掛かりすぎて効率が悪いのです。流行るところでは、職人が
 何人いても追いつかなくなるでしょう。夢八開業時も
 だし巻きの注文が、4個も入ると、それをどう他の注文と時間配分するか、大変でした。
 卵焼きを食べたい時は、僕もなるべく、暇な時間に注文するようにしています。これなど、自分で
 商売したからわかった次第です。
 ビールと焼き鳥を注文。卵焼きの代わりに、卵とじの温蕎麦をお願いしました。
 焼き鳥は、いつもながら身がやわらかくて、甘みがありました。是非ものの肴です。
 前のほうのテーブルには、常連なのでしょう。60代後半のご近所の旦那風、お二人が
 焼き鳥を、塩と、タレの2皿を並べながら、お酒を呑まれて居りました。いい風景なんです。
 卵とじは、写真のように、余り卵のこしを折らずに、さらっと溶いたものをかぶせてあります。
 これがなかなか難しいのです。松屋の卵とじには、蕎麦と卵の間に、海苔が散らしてあります。
 これがよい香りで、花巻蕎麦も一緒に食べているようで、お得感があります。
 まつやには、価格もそうですが、お得感がお店の考え方のベースにあるようです。
 これが、長い間にはボディブローのように効いて来ます。甘辛い独特のスープもそうですが、
 まさに、癖になる要素が幾重にも張りめぐされています。
 そうこうしている間にも、間断なくお客さんが入る。このざわざわ感も老舗の良さに感じる
 から不思議ですね。
 次回は、卵焼きに再挑戦です。

 *職人さんが、蕎麦打ちの実演。手際が良かったですね。

 *卵とじ蕎麦。こしを折らないで、さらっと溶いであり、この下には海苔が散らされてある。

神田 まつや 千代田区神田須田町1-13 03-3251-1556
           営業時間11:00〜20:00(土11:00〜19:00)
           定休日 日・祝

  

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